公平感を育てましょう

 地球温暖化の影響でしょうか。一年の中でも一番寒さが厳しい時期にもかかわらず、暖かいように感じる今日この頃です。凧上げや羽根つきのように天候に左右されるお正月遊びも存分に楽しむことができて良かったです。室内では、かるたやすごろく、トランプなど勝負を決めるカードゲームに関心が高まる時期ですが、いずれも相手があって初めて楽しさが感じられる遊びなので仲間と一緒に夢中になって遊べる良い機会になっているようです。勝負事はゲームの最中や勝負が決まった時に性格(人間性)が現れやすいです(笑)。一緒に遊びながら大人は分かりやすい子どものズルを見極め調整し、負けて悔し泣きする子をなだめ、力をつけている子に対し頑張りを認める言葉をかけるなど、一つの遊びの中ですることが案外たくさんあります。そして、そんなルールのある遊びを毎日繰り返しながら、自分の感情を上手にコントロールできる力がつき、公平さを学んでいる様子をみると子どもたちの成長を日ごとに実感しています。

いよいよ一年間の年度のまとめの時期に入り、子どもたちが話を聞いて理解ができている様子は、とても頼もしいと思います。と同時に、何でも分かっているのだと思うと子どもに対して発する言葉や態度には配慮しなくてはいけないと気が引き締まる思いです。子どもたち一人ひとりの様子が見えるお店やさんごっこを控え、先生たちも子どもたちもアイデアを出しながら準備に取り組んでいきます。保護者の皆様も園児とのやりとりを十分に楽しんでいただき、子どもたちにとって満足感たっぷりのお店やさんごっこになりますように。

園長 熊田佳美

幸せを運ぶねずみ

令和の時代になってから初めてのお正月を迎えました。謹んで新年のお慶びを申し上げます。

昨年末には、お忙しいところ幼稚園運営アンケートにご協力くださりありがとうございました。日々、変化していく時代の流れの中で、より良い方向に幼稚園が発展していくためにするべきことや正すべきことの道しるべになりました。皆様からの貴重なご意見は日々の幼稚園運営や保育活動に良い形で反映できるように努めます。まだまだ至りませんが、これからも保護者の皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。

2学期末に行った職員の話し合いでは、クラス運営の状況の共通理解を深め、同時に3学期に向けての課題や目標が掲げられました。進級や就学への繋ぎがしっかりとできる年度末にしていけるよう職員一同頑張ります。私も、一人ひとりの子どもたちの育ちの課題やクラス運営の目標がそれぞれ達成されるように保育運営のサポートに努めていきたいと思っています。

 今年はねずみ年。十二ある干支のスタートです。昔話にはねずみが登場する話がありますが、縁起が良く福を呼ぶ生き物として出てくることが多いです。「したきりすずめ」「おむすびころりん」「ねずみのすもう」など、良い行いをしていると、大変なことや辛いことがあっても最後は「めでたしめでたし」という結末が待っているという教えを伝えてきた日本の文化であるように思います。昔話のようにこの一年が、節々に「めでたしめでたし」となりますように。皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りしています。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

園長 熊田佳美

子ども同士の連帯感の芽

 幼稚園を取り囲む木々の葉が赤や黄色に見事に染まり、落ち葉の絨毯の上を園児たちが通園する季節となりました。見上げると、雲一つないきれいな青空が広がっていて初冬になったことを感じます。これからはインフルエンザや胃腸炎など感染の病気も流行する時期を迎えます。外から帰ったときの手洗いうがいを励行し、栄養を考えた食事や十分な睡眠を心がけて健康に冬を越していけるようにしましょう。万が一、流行りの病気になってしまったら、重症化する前に治療し、感染拡大を最小限にとどめるようにご協力ください。

 絵画展示の絵からもわかるように、年齢や月日を追うごとに子どもたちはそれぞれに幼稚園の中で友だちを見つけ、誰かと一緒が楽しい事を覚えています。共感できる相手がいることに喜びを感じ、同じ行動をすることで安心感を保っているようです。毎年12月に行う子鹿パーティーでは、歌や楽器の演奏、劇やオペレッタの踊りやセリフなどそれぞれの園児が当日までに獲得した力を舞台で伸びやかに発揮できることが一つのねらいではありますが、同じ目標に向かって日々、仲間と力を合わせることも大切にしています。

 友だちへの関心や楽しそうだから自分も同じ事をやってみたいという気持ちは協調性の育ちに不可欠な反面、子ども任せにしたために思いもよらない悪戯や子ども同士のいじめに発展してしまう事があります。特に、大人のいない所や見えない所であればあるほどいたずらな気持ちの一体感を楽しんでしまいがちの幼い子どもたちです。私たち大人は、できる限りその動向を見届けて、善悪の軌道修正をする役目を果たさなければなりません。園庭開放や降園後に近くの公園で子どもたちを遊ばせる時などは保護者の皆さんが頼りです。節度のある気持ちの良い関係が保たれるよう力添えをお願いいたします。

園長 熊田佳美

自然とのかかわり

 台風19号がもたらした豪雨および河川氾濫による災害で、今もなお、避難所生活の方々がおられます。一日でも早い復旧を心よりお祈り申し上げま す。私たちが暮らす日本は、四季があり、その四季折々の自然を満喫できる日常行事を繰り返して生活してきました。ところが、地球温暖化等で体系が崩れてしまい、異常気象のあおりを直接受けるようになってしまいました。 令和最初のプレーデーは、全員出席でスタートしたものの、予想以上に早い 雨の降り始めにより、途中で中止をやむなくいたしました。ご家族の皆様に は、準備、傘をさしての観覧、片づけなど様々な協力をいただきまして本当 にありがとうございました。できることなら最後までご一緒したかったです。 21日には、演技やクラス対抗競技を実施し、園児たちも積み重ねて取り組 んできた力を発揮することができました。努力したこと、達成したこと、不 完全で終わったこと、それぞれが次の成長のステップになることと信じています。

 ふれあい動物園では、ひよこを優しく小さな手で包み込む年少児や子ブタやアヒルに夢中で餌やりをする年中児、ポニーの背中に乗って余裕の笑顔を見せる年長児の姿がありました。天候不安に配慮して特別に連れてきたポー ルパイソン(飼育用の小型ニシキヘビ)を手にするたくましい先生たちには 感心しました。大小関係ない命の尊さ、食べることの命の育み、様々な動物 に必要なかかわり方を学ぶ貴重な時間になったことでしょう。これからは、 サツマイモ掘り、収穫祭など自然を通じての行事が続きます。可愛い子どもたちのために、秋らしい天候が訪れますように。体験で得る「楽しい」気持 ちは、またやってみたいという意欲やもっとやっていたいという集中力につ ながります。また、脳への刺激もたっぷりです。十分に楽しめる行事になるように取り組んでいきたいと思います。

園長 熊田佳美

再生

2学期が始まり、「稲刈り」や「幼稚園説明会」などの予定していた行事 が順調に進んでいた矢先の出来事でした。9月9日未明にかけて、千葉市付 近に上陸、通過した台風15号の爪痕は想像をはるかに超える大きさで、一 週間以上が経った今もなお、県内では復旧に向けての作業や避難生活が続い ている状態です。幼稚園は当日の一日を休園にいたしました。幸いにして、 ライフラインの機能はすべて支障なく、10日からは通常の保育を行うこと ができました。けれども、保護者の皆さま宛に配布した手紙に記載したとお り、園庭の青桐とアキニレの木が根ごと傾いてしまいました。

青桐はラテン語で「ポーロニア」。幼稚園のシンボルです。無傷の青桐は 2 本残りましたが、開園当時から幼稚園の庭で遊び、健やかに育つ子どもた ちを見守ってくれていた大木の倒木には心が痛みました。業者さんに気持ち を伝えたところ、浮き上がった半分の根を再度埋め直し、切り株を残してく れることになりました。「生きていれば、いつかまた新しい芽を出すかもし れないよ」と嬉しい言葉までかけてもらいました。

ただ、大木を支えたアスレチックの一部が破損してしまったため、修繕を しなくてはなりません。たまたま、石山の隣のジャングルジムの建て替えを するつもりで、それを機に、アスレチックと連動した木製ジムにしようと計 画していましたので、修繕や安全点検を兼ねて、アスレチックのリニューア ルをすることにしました。

園児たちが、喜んで伸びやかに遊ぶ姿を思い起こし、好奇心をくすぐる楽 しいアスレチックジムになるよう、再生に力を注ぎたいと思います。

園長 熊田佳美

子どもと一緒に過ごす大切な時間

 令和最初の夏休み、皆さんいかがお過ごしでしたか。
休みに入ったとたんの酷暑に、戸外での活動が悩ましい感じでしたね。園では、体育講師の渡辺先生から情報をいただき、「熱中症指数系」を購入して預かり保育等の園児たちの活動の目安にいたしました。2学期が始まりましたが、まだまだ残暑が厳しい日もあるので、日々の保育活動に活用していきたいと思います。  幼児教育・保育の無償化のスタート時期がだんだんと近づき、TVでも「♪しんせ~いが、♬ひつよ~うです」のCMが頻繁に流れるようになりました。保護者の皆様には、一学期中に申請用紙をご提出いただいており、千葉市への手続きも進んでおりますので、どうぞご安心ください。10月からは、郵便局の自動引き落としがPTA会費のみとなります。ご承知をお願いいたします。また、同時に幼稚園における預かり保育の無償化につきましても、該当されると思われる方々には、千葉市に認定申請を随時行っていただいております。幼稚園における預かり保育の無償化については、条件を満たす方のみになっているため、自己負担の有無から不公平感が懸念されるところです。園では、園児の全家庭を視野に入れた調整を心がけ、保育料の補助を有効に活かせる料金設定等の見直しに努めたいと思います。
 とはいえ、子どもの成長は早く、あっという間に大きくなっていきます。損得勘定に流されることで、肝心な子どもと向き合える時間が減ってしまいませんように。一番気持ちが落ち着いてリラックスできる家族との時間を、可能な限りでかまいません。どうぞ大切にしてください。お仕事や家事で忙しくされていても、自分に気持ちを向けてくれている時間を感じた子どもたちは、きっと、素直な気持ちに育ち、家庭を離れ集団生活をする上で、元気に頑張っていけることでしょう。

園長 熊田佳美

羽化を迎える蝶のように

 園庭の紫陽花が咲き始め、夏野菜の収穫も少しずつ始まる季節を迎えまし た。毎年この時期には田んぼとホールの間にフェンネルという名のハーブが ふさふさと伸びます。この葉っぱにアゲハ蝶が卵を産み、幼虫になったとこ ろを見つけた年長さんが飼育ケースに入れてお部屋で観察しています。今は サナギになり2週間ほどで蝶になるのを楽しみにしているところです。また パンジーの花にはツマグロヒョウモンという蝶が卵を産み、這い出した幼虫 がサナギになってミニトマトの葉っぱの裏にぶら下がりました。この春に新 しい環境での生活をスタートしたばかりの時は気持ちも行動もなんとなく ふわふわして定まらなかった子どもたちが自分の居場所が定まり友だちを 意識するようになり始めました。また担任への親しみの感情も日に日に強く なりつつあるようです。まもなく大空に羽ばたく蝶と同じように幼稚園の中 で伸びやかに本領を発揮していく姿を楽しみにしたいと思います。
 子どもたちが大好きなプール活動の期間が始まりました。天候と気温の上 昇を見ながら安全に楽しい水遊びを実施したいと思います。これからの時期 は、日中気温が高くなるために体調をくずし、ウイルス感染によるプール熱 など発熱の症状を伴う伝染病の発症が多くなります。せっけんを使って丁寧 に手洗いをし、しっかりとうがいをして予防を心がけましょう。 実を言うと私は一足先に喉の風邪をひいて声が出なくなり「園長先生はおば あちゃんの声にしちゃったの?」と年少さんの女の子に真顔で言われたりし ました。「お大事にしてくださいね」と見舞う声かけもいただき嬉しかった です。でも体はきつかったので油断はもうしないようにします。保護者の皆 様も心身の疲れをためず、体調を崩されないようにお気をつけくださいね。

園長 熊田佳美

 

体験して覚えていく大切さ

 年長さんが田植えをした田んぼの苗や深緑を吹き抜ける風が気持ちの良 い季節になりました。気温も上がり始めたこの季節は様々な植物が枝葉をぐ んぐん伸ばし花や実をつけて私たちの目や舌を楽しませてくれています。

 田んぼの他にもジャガイモ畑やミニミニガーデンの野菜や果物の収穫が これから毎日のように続くので子どもたちは楽しみにしているようで「園長 先生、畑が乾いているみたい」「田んぼのお水がなくなっているよ」と知ら せに来てくれます。よく観察している証拠ですね。

 PTA総会では、交通事故のニュースを受けて「命の大切さ」について話 題に取り上げて話をしました。子どもたちには自分の命を自分で守る意識や 行動を覚えていくように教えること、幼い子どもたちが未熟なところは私た ち大人が守ってあげることが必要です。幼稚園ではケガや事故を未然に防げ るようにできる限り環境を整えて職員が配慮するようにしていますが、時と 場合によっては思わぬケガが発生することがあります。そのほとんどは事前 に十分気をつけて活動を行うようにしているので小さなケガで済むことが 多いです。手当てをしてあげながら子どもたちには次に行動で気をつけるこ とを具体的に教えるようにしています。子どもたちは自分で体験をした思い や痛みはよく覚えていて一度痛い思いをすると次は気をつけるようになっ たりします。ケガをさせたくないからと体験を制限するよりも戸外で手足を 十分に使って遊ばせたり道具を使って作業をさせたりする経験をできる限 り多くする方がはるかに身のこなしが良く手先が器用な子どもになるでし ょう。身のこなしや手先が器用になれば不注意でケガをすることも自然と減 ります。私たち大人が安全な遊び方や使い方をしっかりと伝えながら子ども たちが様々な体験を増やしていけたら良いですね。

園長 熊田佳美

平成から令和へ

 ふと見上げると、さみしかった木々の枝に鮮やかな黄緑色の新芽が出ていました。春の季節は初夏へと移りつつあるようです。入園、進級から一週間がたち、どのクラスも少しずつ通常のサイクルでの園生活が回り始めている様子が見られるようになってきました。朝の登園時は淋しさからまだ泣いている園児も見られますが、名前を呼んでもらってなぐさめながら抱っこしたり手を引いたりしてもらい、時間の経過とともに淋しさを忘れて園にある遊具で遊んでいます。中には、まさかうちの子が泣くとは思わなかった!という保護者の方もおられることでしょう。自分の傍らにいつもいてくれたお母さんと離れるのですから、お子さんの自然な姿として受け止めてあげましょう。     

子鹿幼稚園の園庭は数えきれないくらいの樹木や植栽に囲まれているのでたくさんの鳥たちのさえずりが絶えません。かわいい小さな子どもたちに「待っていたよ。ここでたくさん遊んで、大きくなっていこうね」と声援を送っているかのようです。一年前の年少さんが年中に進級し、安定している姿の頼もしいこと!そして新年長さんに至っては声量の大きさや張り切って行動する後姿に幼稚園を支えてくれる立派な年長児になってくれるものと期待が高まります。

天皇陛下の退位と即位が行われるゴールデンウィークは今年に限り10連休。皆さんどんな風に過ごされますか?私は密かに連休明けの新入園児の気持ちの戻りが不安です(笑)。幼稚園の事、忘れないでくださいね。休み中に平成から令和へと時代が変わります。この機会にまだ経験してなかった事にチャレンジして好きなことを探してみるのも良いかもしれませんね。

嬉しいこと、楽しいことを実行して次に頑張るエネルギーをフル充電できるように予定をたてておきましょう。

園長 熊田佳美

良いスタートになりますように

花々が咲き、小鳥のさえずりが響く暖かな春を迎えました。お子様の進級、 入園おめでとうございます。去る4月1日に新しい時代の元号が発表されま した。予定時間が過ぎ、ちょっぴりじらされるように発表された「令和」の 二文字。万葉集の唄の一つ「梅の花」から引用されたそうです。新元号に込 められた願いにあやかって、子どもも大人もそれぞれの花を咲かせ和やかな 風が通る園生活になるようにしたいと思います。

家庭生活を離れ集団生活の一歩を踏み出す新入園児、慣れ親しんだ担任の 先生やクラスメイトが変わる進級児。子ども以上に保護者の皆様の心配や不 安の方が大きいかもしれませんが、新学期の4月、園ではお子さんが幼稚園 の中で居心地の良い場所や好きな遊び、好きなお友だちを見つけられるよう に努めます。また、担任はもちろんのこと職員全員で協力し合いながら一人 ひとりのお子さんに目を配り声をかけてサポートしながら保育いたします。 “笑顔で送り出し笑顔で迎える”そんなお母さんでいてくださいね。

子鹿幼稚園は、先生と子どもと保護者の皆様の距離が近く、気さくにお話 ができる所がとても良いと思っています。もしもわからないことや心配なこ となどがあった時は、ためらうことなく声に出すようにしてみてください。 自分一人のエネルギーだけでは解決できないことも、周りの人がヒントをく れて安心に繋がっていくことでしょう。幼稚園生活の楽しさや充実感を皆が 一緒に感じていけますように、どうぞ安心して私たちにお任せください。

園長 熊田佳美