新しい友だち

5月の保育だよりtp

 進級、入園から10日近く経ちました。今年は、桜やチューリップの開花 がとても早かったので、園庭ではツツジの花々が植栽に色を添えてくれてい ます。年少クラスに入園した子どもたちはというと、殆どの子どもが泣いて 登園することなく用意された遊具の遊びに夢中になっている様子です。お片 付けの時間になり先生が声かけの合図をすると抵抗なく使っていた物を片付けてみんなで一カ所に集まって朝の会などに参加しています。
そんな頼もしい年少も一歩戸外に出ると小さく見えて、進級した年中、年 長児が声をかけて一緒に遊んでくれていました。自分たちがしてもらったこ とを覚えていたのかどうなのかはわかりませんが、幼稚園の先生たちから教 わった「友だちと仲良くしましょう」「優しく接しましょう」という約束を実践しているかのように見えます。素直で本当に愛おしい子どもたちですね。
 先生の後にくっついて他の子どもたちと近くで過ごしている子もいまし た。自分から声をかけられる子は行動範囲が広く積極的に遊べますが、どこで何をして遊ぼうか定かでないタイプの子は、最初は先生が頼りのようです。 幼稚園に入園したり新しいクラスに進級したり4月から環境が変わった子 どもたちは、友だち作りや担任の先生への親しみの気持ちを幼稚園で育んで いるところです。たまたまグループが一緒になって同じテーブルで製作や食 事をしているうちに仲良くなることもあるみたいです。
 保護者同士の出会いの場としてはPTA学年例会をおこないクラス役員 さんが決定しました。また5月のゴールデンウィーク開け以降に親子バス遠 足があります。ぜひこの機会に、普段なかなか会えない保護者同士で顔見知 りになってお子さんの幼稚園生活を通じた良い仲間を見つけてください。 一気に心強さが増すと思います。

5月の保育だよりtp

園長 熊田佳美

お子様の進級・ご入園おめでとうございます

 早めに咲いた桜の花に続き、春の花々が色とりどりに咲いて私たちの目を楽しませてくれる中、新学期を迎えました。
 3月の卒園式では、話を聞く力がついてたのもしくなった卒園生を小学校に送り出し、修了式では、集団生活に必要な力が育ってきている年少、中児の姿に手応えを感じながら期待して修了カードを渡しました。新たな学年のスタートラインに立った入園児や進級児が元気に一歩を踏み出して楽しい新生活が送れるように見守っていきたいと思いを強くしているところです。

 小学校に上がるまでの幼児期にたくさんの事を学ぶ中で、学期の節目などに子どもたちに伝えている事があります。
 1つめは「挨拶ができるように」。人と人とのコミュニケーションの始まりは挨拶から始まります。簡単そうでいて案外できない子どもが増えているのも現実です。どこに行っても自分から気持ちよく挨拶ができるようになったら嬉しいですね。

 2つめは「上手に話を聞けるように」。静かに聞くことは周りにいる人たちへの配慮に必要な事ですし、内容をよく聞いていると頭の中にしっかりと記憶できて次にどうすればいいか分かって行動できます。

 3つめは「友だちと仲良くするように」。家庭を離れ社会に出ると家族以外の人々との人間関係が生じます。物事の考え方や振舞いを自分中心でしてきていいとされていた事も、集団生活では我慢をしたり譲ったりと相手の事を考えながら自分の気持ちをコントロールしていく能力が必要になります。他人の気持ちも考えられる思いやりの心を持った人は、きっと周りからも大切にされる人になるでしょう。 

子どもたちに教えることは、まず私たち大人が実行しなければいけません。担任をはじめ職員全員で協力し合いながら一人ひとりの成長を応援していきます。保護者の皆様も明るく和やかな幼稚園づくりにご協力ください。

園長 熊田佳美

「応援しているよ」

 お子様の卒園、修了おめでとうございます。
 今年度は39名の年長児が卒園し、46名の年少児と39名の年中児が修 了します。毎日積み重ねてきた園での集団生活の中で、たくさんの経験をし て、どの子も大きく成長しました。比較的あたたかい日が多かったせいか、 花々の開花が早いようで園児たちを一緒に祝ってくれています。
入園当初、離席が多かった園児が座って話を聞く活動に参加できるように なったり、おむつで過ごしていた園児がパンツで過ごせるようになったり、 まわりの人たちに自分の発言をあまりしなかった園児が大勢の前で発言で きるようになったりと、ひとり一人の子どもの変化を思い起こすと切りがあ りません。
 特に、今年卒園する子どもたちは幼稚園生活 3 年間の殆どをコロナ禍で過 ごしました。様々な制限を課せられた園生活はもどかしいものではありまし たが、慣れというのは恐ろしいもので、制限された生活が普通に展開される 毎日になってきました。そんな時、久しぶりに小学校の行事に招待される機 会を持ち、出かけてきました。「6年生を送る会」で6年生全員がアンサン ブルで楽器を演奏し、合唱を披露してくれたのですが、体育館の中で響く音 が空気を伝って私の耳に届き、耳から胸まで届きました。また、その一生懸 命な姿を目の当たりにし、目から届くものと合わさって、感動して涙が出そ うになったほどです。いまや映像で伝える手段がより活用される時代になり つつある中で、対面の良さを痛感した出来事になりました。
会わなくても用事は済むけれど、会って意見を交わし一緒に何かをしてい くうちに募る感情や得るものは、人の成長には欠かせないと思っています。 これから大きく成長していく子どもたちだからこそ、みんなで力を合わせる ことや相手を思いやる感情を集団生活において獲得できるような毎日が待 っていますように。愛しい園児たちの成長を心よりお祈りしています。

園長 熊田佳美

人を成長させてくれる達成感

凍えるような寒さの中でも芽を伸ばしているチュウリップや梅の木の蕾を見ると春がすぐそこまで来ていることを感じます。子鹿パーティー劇の発表では、条件付きにもかかわらず参観いただきましてありがとうございました。園児たちの発表はいかがでしたでしょうか。

舞台の発表となると「ストーリー」「台詞」「ダンス」「舞台上での立ち位置」「登場、退場の仕方」など、覚えることがたくさんあります。期間が決まっているにもかかわらず、学級閉鎖や病症で欠席せざるを得ない様態で思うように活動が進まず、完成まで間に合うのか心配もしましたが、そんな心配をよそに子どもたちはお客さんに見せることをずっと楽しみにしていました。また昨年は恥ずかしさから表現しなかった男の子が、一人で台詞を話し、演技をしていた姿を見て、人前が苦手だった子どもが人前で演じることができるようになった変化をとても嬉しく思いました。

時に後退しながらもホップ、テップ、ジャンプ!で大きくなっていく子どもたちの姿に元気をもらった子鹿パーティーでした。残りわずかになってきましたが、卒園、修了の日まで一緒に過ごしてきた友だちや担任の先生と毎日を大切に、思い出を作れますように。

園長 熊田佳美

成長を感じる時期

 昨年は3学期のはじめに大雪警報が出るほど寒かったのですが、今年は 季節外れの暖かい陽気の日もあって、子どもたちが身体を動かしやすそう に園庭で遊んでいました。お正月遊びやボール、縄跳び、固定遊具、砂場、 それぞれに好きな遊びをしている中で「氷おに」や「色おに」を見かけま す。どちらも鬼ごっこがベースの遊びで、捕まったら凍ってその場に止ま る、指定した色をタッチしにいくまでの間に捕まったら鬼を交代するなど、 決まったルールに沿って遊びます。捕まえる方も逃げる方も必死です。途 中で誰かとぶつかりそうになるとひょいと避けて方向を変え、俊敏に走る 様子や、戸外で伸びやかに遊ぶ子どもたちを見て嬉しい気持ちになります。

 この鬼ごっこ一つを取っても、年齢や時期で成長の変化を感じることが あります。例えば、3歳児だと鬼になってみんなが一斉に自分から離れて 逃げてしまうと心細くなって泣いてしまったり、反対にタッチされて捕ま ると泣いてしまったりしてすぐに遊びが中断してしまいますが、年中にな ると頼もしく鬼役が出来るようになります。また年長くらいになると凍っ ている友だちを助けに向かう姿や、どうやったら捕まえられるか待ち伏せ の場所を考えながら追いかける姿など遊び方に工夫が見られるようにな っていきます。
日々、幼稚園活動や遊びを繰り返す中で「知力、体力、精神力」を蓄積し てきた子どもたちが、次は舞台の発表に向けて頑張っています。一人ひと りがどんな表現をみせてくれるのか今から楽しみですね。

月の挨拶(2月)

園長 熊田佳美

ホップ ステップ ジャンプ!の年に

明けましておめでとうございます。
3年近く過ごしたコロナ禍ですが、病症がなんとなく見えてきたことや国内での治療薬の承認が進んだことなど私たちの社会生活が少しずつ緩和されていくのかなと期待をもって新年を迎えました。

 冬休み中は人の流れについてコロナ禍前と比較した報道を多く目にしましたが、まだ3歳から5歳くらいの子どもたちにとってはコロナ禍が人生のスタートなのでコロナ禍前を振り返るということはほとんどなく、今この時から前進あるのみなのかなと思います。また私たち大人にとっては世界規模で起こった感染症の脅威と過ごした日々が「あの時は大変だったね」と昔のこととして語れる未来が一日でも早く訪れてほしいですね。

2学期の終盤は学級閉鎖等でなかなか園全体が揃わない状況が続きました。いつものように門で挨拶をしながら園児を迎えていた際に「あのね、私ね、幼稚園に行きたくて行きたくてたまらない気持ちなの」と声をかけられました。ある先生は面談時に「園児の虐待のニュースを見た我が子が幼稚園はすごく楽しい所なのにこの子たちはかわいそうだね。と娘が言っていました」とお話してくださったと教えてくれました。どちらも年長さんの女の子。国に緊急事態宣言が発令されて6月入園が園生活のスタートになった子どもたちです。幼稚園生活の殆どをコロナ禍で過ごしてきたにもかかわらず、社会生活に欠かせないコミュニケーションの芽を出した園児たちからもらった言葉はいつも以上に重みを感じました。その芽が摘まれることなく膨らんでつぼみとなり花開きますように!

 2023年はうさぎ年。月並みですが、みんなで「ホップ ステップ ジャンプ!」飛躍の年にしましょう。

園長 熊田佳美

異年齢同士のかかわり

 園庭を囲む木々や通用門前に広がるガーデンの森が黄色や赤色に染まり
この時期ならではの景観を楽しませてくれています。
園では園児たちがお店屋さんごっこを展開し、どの子も喜んで参加している様子が見られました。それぞれのクラスで製作した品物は丁寧に出来上がっており、どれも本物さながらに感じられました。開店当日は威勢のよい「いらっしゃいませ~!」のかけ声とともにどの店からも賑やかな声が響き、財布が入った絵本袋を持った子どもたちが口元をほころばせながらテラスを行き来してお目当ての品物をゲットして買い物を楽しんでいました。全店が売り切れて大盛況のおみせやさんごっこになり園児たちも大満足だったようです。次の日、持ち帰った作品をみた保護者の方々が「クオリティーが高くて驚きました」「家でさっそく使って遊んでいます」と門のところで声をかけてくださりました。
 その後、2歳児クラスバンビルームの子どもたちと年長クラスの子どもたちの交流がありました。母子分離の時期が定着しつつあるバンビちゃんたちを幼稚園最年長の園児たちが手を取ってエスコートする様子は見ていてとても微笑ましく、小さい子に優しく関わる体験や年上の子に刺激を受けたり教えてもらいながら遊んだりする体験をお互いに得るひとときになっていました。また年少児が初めて発育測定をしたときも年長児が年少クラスに行って着替えを手伝い応援してくれていたことも思い出され、園庭で学年が混ざって遊んでいる時間にも「泣いている子がいるよ」とか「~が欲しいだって」とか「お友だちの○○ちゃんがいないから探してあげて」など声をかけてくれている姿が浮かびました。おそらくですが、いままで自分自身が年長の子どもに面倒をみてもらった経験が生かされる時がきたのでしょう。
 異年齢の関わりでうまれるお互いの良い習慣が繰り返され、両者がまた一つ成長する機会を見てとても幸せな気持ちになりました。

園長 熊田佳美

壁を乗り越える体験

 いつの間にか朝晩の冷え込みを感じる季節になり、園庭の木々も色づき始 めました。先日、ママと一緒がいいと泣いて登園したAくんと通用門の近く でどんぐり拾いをしました。さっきまで大泣きしていたAくんは、ピタッと 泣くのをやめていつの間にかママの事も忘れてすんなりクラスに入ることができました。園生活にすっかり慣れてきた園児たちは頼もしく見えても、 まだまだ日によって朝が不安定な時があるかと思います。つい昨日まで張り 切って登園していたのに「今日は幼稚園に行きたくない」とぐずられると幼 稚園で何かあったのではないかと心配になることでしょう。成長の過程での 自己主張の現れ、園生活の活動レベルが上がっていくことでの苦手意識、友 だちとの出来事や体験で嫌な思いをしたなど、理由は色々考えられます。
 Aちゃんのように母子分離が一番の原因になっているような場合は、たく さん泣いて気持ちがすっきりしたところで何か違うことに気を引く事で解 決できました。しかし、活動の難しさや苦手意識に直面しているような場合 は、保育の工夫や気持ちの後押し、個別の指導、家庭でのサポートが必要に なり、時にはその子の成長発達そのものを待つことが必要になります。私た ち大人が指導やサポートをする時、苦手な事や嫌いな事を取り除いてあげる ことも改善の一つではありますが、100%子どもの言うことを鵜呑みにす るのではなく、現状を見極めて本当に取り除きやらなくてもいい内容を考え る必要があると思います。
園児たちのようにまだ幼い時に小さな壁一つ一つを乗り越える経験は 「心・技・体」を鍛えてくれる貴重な体験です。やがて大きな壁を目の前に したときに乗り越える力が備わった大人であってほしいためにも、子どもが 壁を乗り越えている時に直面したら、どうしたらその壁を乗り越えられるか を教え、応援する大人でありたいですね。

尊い命

 幼稚園の田んぼでは稲刈りが終わり、一斉にバッタやコオロギが登場して子どもたちの虫探しを盛り上げてくれました。また今年の9月は、シオカラトンボから赤とんぼへと変化しながらたくさんのトンボが園庭に飛んでいました。きっと自然界でヤゴが無事に育ったのでしょう。
夏休み明けには静岡県のこども園で起きたバスの置き去り園児死亡事故という痛ましいニュースがありました。教育現場や保育現場は人が育つ場であると同時に尊い命を毎日お預かりする場でもあります。あんな事故は決してあってはならない事です。それだけに危機管理対策や衛生管理は園生活において何よりも重要なことと捉えていた気持ちが更に引き締められました。子鹿幼稚園における園児の安全な生活は、園の教職員ひとり一人が責任をもって日々仕事に取り組んでいることで成り立っていると言っても過言ではないと自負しております。早朝から出勤し、園舎、園庭の見回りや掃除をし、危ない物が落ちていないか、破損している箇所はないかなど確認をし、雨上がりでアスレチックの丸太が滑りやすくなっているときは乾いてから使用した方が良さそうだと情報共有をしてから保育を始めるなどしています。またバス通園、徒歩通園に関係なく朝の受け入れから帰りの引き渡しまで、園児ひとり一人の所在や健康状況を観察することに従事して何か心配事項などがあると相談の声がかかり、園児の身体の状況を確認しています。
 同時に、子どもたちには命の大切さを教え、自分の命もまわりの命も守るために必要な安全生活や健康習慣を指導しています。園児たちは交通安全教室に続き、避難訓練に参加するなど体験から命の尊さを繰り返し学んでいきます。

園長 熊田佳美

マイナスから気づくメリット

 長い夏休みでしたが皆さんいかがお過ごしでしたか?
猛暑で熱中症警戒アラートが鳴る日が続いたと思えば、局地的な突然の大雨、新型コロナ感染症の感染拡大など、健康を維持しながら過ごす面で気が抜けない毎日だったことと思います。そんな状況であっても、今までの経験から得た対策や予防を講じながら普段はできなかった事や家族で楽しいひとときを過ごす事ができた夏休みになったことでしょう。
心機一転、幼稚園の保育活動も2学期が始まりました。1学期中に慣れて親しみを持ち始めた幼稚園やクラスの環境の中で、新たな活動体験を通してたくさんの事を学び、日々のちょっとしたきっかけで友だちができ、一人ひとりが力をつけて成長していく様子を見るのが今から楽しみです。
昨年の出来事を思い出してみますと、8月中に発令された緊急事態宣言が千葉県は9月30日まで延長となり、毎日午前保育で過ごしていました。
2学期の行事も予定を調整し改め、プレーデー(運動会)は10月の終盤に延期しました。おととしまで10月の初旬に実施していた頃は、まだ残暑が厳しい9月中から演技や競技の練習を始めていましたが、半月以上遅い時期に変更したことで気温が下がり運動しやすい陽気に練習をする事ができるようになったり積み重ねて練習する日数に余裕ができたりしたせいか意欲を持って最後まで活動に取り組んでいるように見えました。また、午前のみの開催にしてからは種目数も厳選したので当日までの集中力が増したように感じています。

 コロナ禍で失ったもの、得たものを天秤にかけながら良い方向を見つけていけたらいいですね。

園長 熊田佳美