後悔の無いように

 元旦から北陸の大地震や羽田空港の航空機事故が起こり、なんとも辛く胸痛む新年のスタートになりました。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。改めて万が一の出来事が起こった時に対する「備え」や「対策・訓練」の心構えを見つめ直すよう気持ちを引き締められた思いでおります。

 園ではコロナの影響で制限が多かった生活が緩和されて活動や参観などの行事も以前のように伸びやかに出来るようになりつつあります。当たり前にしていたことでも改めて嬉しく感じながら何でも出来るのは喜ばしいことですね。今年も健康に充実した毎日になりますように。どうぞよろしくお願いいたします。数年間コロナ禍を過ごしたことで新たな発見もたくさんありました。併せて少子化の影響で園児数が少なくなる時代をこれからは過ごしていくことが予想されます。そのことを踏まえて、ひとり一人の園児の体験や指導に余裕をもってできる活動方法や行事の企画等に工夫を凝らして、より良い園生活にしていきたいと思います。

 さて、いよいよ3学期となり、一学年の集大成を迎えます。
親しみが深めつつあるクラスの友だちや担任の先生と力を合わせて子鹿パーティーの劇やオペレッタに取り組んで頑張る姿が見られるようになるかと思うと今から楽しみでなりません。また、母子分離を経てお弁当や園バス体験を進めて園児の生活に近づきつつあるバンビルームの子どもたちの入園も同じように楽しみです。
「もっと頑張っておけば良かったな。って後で思わないように全部の力を出し切って頑張ろうね」  
私がいつも年長さんに向けて行事の発表の前にかける言葉です。後悔無く、満足感や達成感を見つけながら毎日過ごせたら嬉しいです。

園長 熊田佳美

みんなで奏でる

 穏やかに晴れて青空が広がる園庭で元気いっぱい子どもたちが外遊びを楽しんでいます。公開保育研修会の会場として千葉市の子ども未来局や他園の先生方にお越しいただき、子どもが健やかに伸び伸びと過ごせる環境と経験豊かで安定した保育展開を進める先生方についてたくさんのお褒めの言葉を頂戴しました。園長の立場として改めて園を誇りに思います。

 園では「子鹿パーティー音楽発表」に向けて各クラスで歌や合奏の練習に取り組んでいます。毎日のように大太鼓や小太鼓、シンバルといった様々な楽器の音色が園庭やテラスに響き渡るようになりました。年少さんは全員が同じ楽器を使ってリズム打ちをしますが、年中さん年長さんは楽器を分担してそれぞれのパートを奏でる楽譜になっています。曲や楽器の紹介があって、自分が気に入った楽器を選び練習にとりかかるのですが、楽器の数と演奏する子どもの数は当然のことながら同じため第一希望になったり第二希望になったりと様々です。また一人で音を奏でる楽器、鍵盤で音符を奏でる楽器、数人でリズムを合わせて奏でる楽器など、それぞれが特徴をもっているので全部の楽器が合わさってこそ完成の曲になっていきます。子どもたちにはどのパートも演奏には欠かせない大切な役割があって、全員の気持ちを合わせることが出来たときに初めて大成功になることを感じる機会になってくれたら嬉しく思います。毎日一生懸命に自分のパートを練習している様子を目にしますので、きっとそうなっていくでしょう。
 そして何よりも観客である保護者の皆様に発表するという大きな目標をもって頑張っている活動なので、自分たちの演奏をたくさんの方々に聴いていただくことでやり遂げた達成感や自信を持ち、更に次の節目に向かって伸びる力をつけてくれるものと期待しています。プレーデーに続き、全員参加ができますように健康管理に気をつけてお過ごしください。

園長 熊田佳美

言葉がけが持つ力

朝晩の冷え込みを感じる季節になり、園庭の木々も色づき始めました。
先日、年少児が通用門を出てすぐの場所まで落ち葉や木の実拾いに出かけていました。持ち帰ったバケツの中をのぞき込むと、色とりどりの葉っぱやたくさんのどんぐりが入っていました。秋の季節が一気に押し寄せてきた感じがします。

また、スポーツプレーデーの開催時期を遅めに設定していたので、すがすがしい秋晴れの中、元気いっぱい走ったり演技の練習をしたりと園庭での運動が思う存分にできました。どの学年の子どもたちも、みんな意欲的に参加していて、回数を重ねるたびにどんどん走り方が頼もしくなったり演技が明確になったりしていくのが見てとれました。私は、クラス担任を持っていないですが、子どもたちからは先生たちの仲間だと思ってもらえているようで、私が投げかける言葉も担任の先生方がかけている言葉と同様に受け止めてくれることが殆どです。そのため、話しかける時は次の行動に繋がっていく事を想定しながら前向きにやる気が高まる励ましの言葉を選んだり今の時点で出来ているところを褒めて認めたりして、自分の行動に自信が持てるようにかかわるようにしています。そして、更に一歩成長するようにと思いを込めて課題点を一つ伝えることも欠かさないようにしています。
以前、芋掘り体験の当日に雨が降ってしまい延期でがっかりしている子どもたちに「畑の中でお芋がどんどん大きくなっているね」と話していた先生がいて、なんて素敵な言葉がけだろうと感心しました。それ以降、芋掘りが雨で延期になった時に私も使わせてもらっています(笑)。

園長 熊田佳美

こどもたちに映る社会

 新学期が始まってすぐに大雨警報が出るほどの天候となり、休園にする事態になりました。以前だったら秋の爽やかな気候を感じながら戸外で身体を動かして過ごせたのに、近年は異常気象ともいえる猛暑がいつまでも残り、戸外遊びや園庭開放も制限しながら9月を過ごしました。それでも稲刈りが終わった田んぼにはバッタやコオロギが登場して、園児たちを喜ばせてくれているので、これから訪れる秋の季節を有効に満喫していきたいと思います。

ある日、園バスの到着を待っている間に年中さんの女の子数名とおままごとをする機会がありました。レストランのお客さんになってほしいというので、私がお客さんになりました。メニューは何があるのか訪ねると、オムライスセットやハンバーグセットと教えてくれました。オムライスセットにはオレンジジュースとプリンがついていて、おすすめのオムライスセットを注文しました。この時に、今までのように店員さんに直接声をかけたところ、「タブレット注文になります」と言われました。それからしばらくして、何も持たずに近づいてきたのでどうしたのかと思ったら、「すみませーん。あのう、今、食材を切らしちゃいまして、オムライスセットが作れません」とのこと。見ると、おままごとに使う食材が他の子どもたちにすでに使われていて、容器の中が殆ど空でした。「タブレット注文」に時代を反映しているなと感心したところに、「食材の不足」と追い打ちをかけるように言われて、年中児って考える以上におませさんなんだなって、思わず笑ってしまいました。

子どもたちは世の中の様子を案外よく見ているものですね。子どもたちの目に映し出される毎日が楽しく充実したものになりますように。

園長 熊田佳美

幼稚園生活で育つ力

  厳しい暑さが続いた夏休みでしたが皆さんいかがお過ごしでしたか?

園ではお盆休みを除いて預かり保育を実施しました。戸外活動を中止したりプールをテラスで実施したりして、熱中症の対策が欠かせない毎日でした。また利用園児は全員弁当を家から持参していましたので、冷房を効かせた部屋で管理するなどして食中毒の予防を併せて配慮して過ごしました。毎日のように水の事故や自然災害の出来事をニュースで見聞きし、胸が痛むこともありましたが、コロナ禍が明けて数年ぶりに夏の行事や様々なスポーツイベントで盛り上がり、楽しめることが復活した夏休みだったように思います。園児たちも普段はできない体験や家族の方々と楽しいひとときを過ごす事ができたことでしょう。
家庭生活でリラックスして過ごす感覚から規律ある集団生活の感覚に切り替えて、幼稚園での生活習慣を思い出していく2学期が始まります。我が子の背中を優しく押してあげながら更なる成長に期待を持って幼稚園に送り出してください。

 年長児は、お泊まり会の体験をアレンジして今年度から「デイキャンプ」を実施します。全教職員が年長児の行事をサポートして成功に導くため年少、年中児のご家庭の皆さんが休園にご協力くださります。
この行事をはじめ、2学期はどの園児たちもたくさんの行事に向けて毎日体験を積み重ねながら知恵と技術や精神力と体力を身につけていきます。

成長の成果をご覧いただけるように参観の行事も予定していますので、ぜひ 楽しみにお過ごしください。また引き続き温かいご支援をいただきますようよろしくお願いいたします。

園長 熊田佳美

しっかり食べて運動して丈夫な身体をつくりましょう

 梅雨の時期は戸外で遊ぶ機会が減ってしまうので子どもたちもストレスがたまりやすくなります。保育室では体操やリトミック、ゲームなど身体を動かしたり頭を使って考えたりする時間を設けてエネルギーを発散する工夫が見られます。年長クラスでは、牛乳パックやお菓子の空き箱、トイレットペーパー芯などの廃品を使って自由工作を楽しんでいました。精神面での健康は子どもも大人も日々の生活に大きな影響が出るものなので、健やかに過ごせることが一番の幸せだと感じます。

 コロナ禍を過ごしてきた園児たちは、病気に対する免疫が少なく、おなかの風邪、季節性の風邪といった診断で38度から39度台の高熱が出て、咳や鼻水が止まらない症状での欠席連絡が増加傾向にありました。特に年少児は風邪が蔓延して欠席者が出席者を上回った日もあり学級閉鎖にしたクラスも出たほどです。これから少しずつ集団での病気に対する免疫や抗体ができてくる事に加えて、日頃から丈夫な身体づくりを意識して「食生活」や「運動」を心がけるようにしたいものです。幼稚園ではプール活動の実施時期になります。必要な身支度の習慣、プールに入る前の準備体操、活動中の注意点、プールから出た後の過ごし方など、安全にプール活動に参加するためにたくさんの覚えることが詰まっています。暑さをしのぎ、気持ちよく楽しく経験することで思いっきり楽しめる活動にしていきたいと思います。

 プール遊びに参加するには、まずは健康な状態でなければなりません。風邪の予防を心がけ、食事、運動、睡眠の生活リズムを整えてあげるように意識してみてください。もしも体調不良になったときは、早めに療養するようにして症状が長引いたり悪化したりしないうちに治しましょう。 保護者の皆様もくれぐれもご自愛ください。

園長 熊田佳美

備えあれば憂いなし

 季節外れの猛暑や大雨の影響で、私たちが暮らす日本だけでなく世界中の 国々が被災しているニュースが年々増えているように感じます。これも地球温暖化の影響なのでしょうか。
 最近の出来事では、千葉県内で震度5強の地震が発生し、千葉市でも震度4が観測されました。東日本大震災の時の教訓から千葉市幼稚園協会では、 震度5強の地震が市内で発生した際は園バスの運行を止めるきまりを作っ ています。子鹿幼稚園では火災や地震などにより園舎外に避難する場合、第 一避難場所はブランコ前、第二避難場所は幸町第三小学校になっています。 被災の状況で変更しない限り園児の引き渡しはこのどちらかの場所で行い ますので、ご承知ください。津波の心配がある時は、園舎のA棟非常階段を 使って上階層まで避難をします。

 園児や私たちの命を脅かす災害や事故や病気は予期せぬ時に起こること が殆どで、予測不可能のことが多いです。そのため、日常では災難を起こさ ないように安全の対策や予防、心構えを忘れないようにしています。万が一 発生した場合は命を守ることを最優先に対応して、被害を最小限にとどめる 行動をとります。常に身の安全を考えて行動することは、一生自分の命を大 切にしていく力が育つことにつながります。命の大切さを伝えていく際に、 園児たちへの安全や衛生指導はとても大切に思います。
同じようにご家庭でも子どもたちには交通安全を始め安全な行動を教え たり、災害時の備えをしておいたりすることを心がけてみてください。何か あっても備えがあるとないとでは大きく結果に違いが出るに違いありませ ん。

園長 熊田佳美

新しい友だち

5月の保育だよりtp

 進級、入園から10日近く経ちました。今年は、桜やチューリップの開花 がとても早かったので、園庭ではツツジの花々が植栽に色を添えてくれてい ます。年少クラスに入園した子どもたちはというと、殆どの子どもが泣いて 登園することなく用意された遊具の遊びに夢中になっている様子です。お片 付けの時間になり先生が声かけの合図をすると抵抗なく使っていた物を片付けてみんなで一カ所に集まって朝の会などに参加しています。
そんな頼もしい年少も一歩戸外に出ると小さく見えて、進級した年中、年 長児が声をかけて一緒に遊んでくれていました。自分たちがしてもらったこ とを覚えていたのかどうなのかはわかりませんが、幼稚園の先生たちから教 わった「友だちと仲良くしましょう」「優しく接しましょう」という約束を実践しているかのように見えます。素直で本当に愛おしい子どもたちですね。
 先生の後にくっついて他の子どもたちと近くで過ごしている子もいまし た。自分から声をかけられる子は行動範囲が広く積極的に遊べますが、どこで何をして遊ぼうか定かでないタイプの子は、最初は先生が頼りのようです。 幼稚園に入園したり新しいクラスに進級したり4月から環境が変わった子 どもたちは、友だち作りや担任の先生への親しみの気持ちを幼稚園で育んで いるところです。たまたまグループが一緒になって同じテーブルで製作や食 事をしているうちに仲良くなることもあるみたいです。
 保護者同士の出会いの場としてはPTA学年例会をおこないクラス役員 さんが決定しました。また5月のゴールデンウィーク開け以降に親子バス遠 足があります。ぜひこの機会に、普段なかなか会えない保護者同士で顔見知 りになってお子さんの幼稚園生活を通じた良い仲間を見つけてください。 一気に心強さが増すと思います。

5月の保育だよりtp

園長 熊田佳美

お子様の進級・ご入園おめでとうございます

 早めに咲いた桜の花に続き、春の花々が色とりどりに咲いて私たちの目を楽しませてくれる中、新学期を迎えました。
 3月の卒園式では、話を聞く力がついてたのもしくなった卒園生を小学校に送り出し、修了式では、集団生活に必要な力が育ってきている年少、中児の姿に手応えを感じながら期待して修了カードを渡しました。新たな学年のスタートラインに立った入園児や進級児が元気に一歩を踏み出して楽しい新生活が送れるように見守っていきたいと思いを強くしているところです。

 小学校に上がるまでの幼児期にたくさんの事を学ぶ中で、学期の節目などに子どもたちに伝えている事があります。
 1つめは「挨拶ができるように」。人と人とのコミュニケーションの始まりは挨拶から始まります。簡単そうでいて案外できない子どもが増えているのも現実です。どこに行っても自分から気持ちよく挨拶ができるようになったら嬉しいですね。

 2つめは「上手に話を聞けるように」。静かに聞くことは周りにいる人たちへの配慮に必要な事ですし、内容をよく聞いていると頭の中にしっかりと記憶できて次にどうすればいいか分かって行動できます。

 3つめは「友だちと仲良くするように」。家庭を離れ社会に出ると家族以外の人々との人間関係が生じます。物事の考え方や振舞いを自分中心でしてきていいとされていた事も、集団生活では我慢をしたり譲ったりと相手の事を考えながら自分の気持ちをコントロールしていく能力が必要になります。他人の気持ちも考えられる思いやりの心を持った人は、きっと周りからも大切にされる人になるでしょう。 

子どもたちに教えることは、まず私たち大人が実行しなければいけません。担任をはじめ職員全員で協力し合いながら一人ひとりの成長を応援していきます。保護者の皆様も明るく和やかな幼稚園づくりにご協力ください。

園長 熊田佳美

「応援しているよ」

 お子様の卒園、修了おめでとうございます。
 今年度は39名の年長児が卒園し、46名の年少児と39名の年中児が修 了します。毎日積み重ねてきた園での集団生活の中で、たくさんの経験をし て、どの子も大きく成長しました。比較的あたたかい日が多かったせいか、 花々の開花が早いようで園児たちを一緒に祝ってくれています。
入園当初、離席が多かった園児が座って話を聞く活動に参加できるように なったり、おむつで過ごしていた園児がパンツで過ごせるようになったり、 まわりの人たちに自分の発言をあまりしなかった園児が大勢の前で発言で きるようになったりと、ひとり一人の子どもの変化を思い起こすと切りがあ りません。
 特に、今年卒園する子どもたちは幼稚園生活 3 年間の殆どをコロナ禍で過 ごしました。様々な制限を課せられた園生活はもどかしいものではありまし たが、慣れというのは恐ろしいもので、制限された生活が普通に展開される 毎日になってきました。そんな時、久しぶりに小学校の行事に招待される機 会を持ち、出かけてきました。「6年生を送る会」で6年生全員がアンサン ブルで楽器を演奏し、合唱を披露してくれたのですが、体育館の中で響く音 が空気を伝って私の耳に届き、耳から胸まで届きました。また、その一生懸 命な姿を目の当たりにし、目から届くものと合わさって、感動して涙が出そ うになったほどです。いまや映像で伝える手段がより活用される時代になり つつある中で、対面の良さを痛感した出来事になりました。
会わなくても用事は済むけれど、会って意見を交わし一緒に何かをしてい くうちに募る感情や得るものは、人の成長には欠かせないと思っています。 これから大きく成長していく子どもたちだからこそ、みんなで力を合わせる ことや相手を思いやる感情を集団生活において獲得できるような毎日が待 っていますように。愛しい園児たちの成長を心よりお祈りしています。

園長 熊田佳美