力を養い、伸びやかに

梅雨の時期が続く晴れ間をぬって幼稚園ではプール活動の実施時期にな りました。プール遊びを休む園児は、室内に用意された遊びをして過ごしま す。水遊びに必要な身支度の習慣、プールに入る前の準備体操、水に入って いる間の注意点、濡れた体で足元が滑りやすくなっていて転倒に気をつける 必要があること、着替える時にはタオルでしっかりと体を拭き取り水分補給 をするなど、プール活動だけでもたくさんの覚えることが詰まっています。 けれども、まだ自分でできない事や初めてする事もあるので、担任をはじめ 職員が手助けしながら実施します。そして、安全と衛生管理に留意しながら 暑さをしのぎ、気持ちよく楽しく経験できるように有効に活動していきたい と思います。

今年度がスタートしてから園のホームページの活動報告もゆっくりと更 新していますが、皆さんご覧いただけましたでしょうか。最近は保護者参観 の様子を全学年一緒に掲載しました。全学年がクラスで制作活動をしていま したが、それぞれに制作の内容が違いました。参観が終わってから、緊張し てしまっていつものように話ができず、説明を早めすぎてしまったと猛反省 している担任の先生もいましたが、子どもたちはというと普段と変わらない 落ち着きぶりでした。むしろ良い所を見てもらいたい気持ちを感じるくらい 話をよく聞き、いつも以上に速やかな行動をとっていました。

私は、基本何事も張り切ることは大事だと思っているので、普段の姿を知 る者としては嬉しかったですが、先生たちは、いつもこうだと嬉しいだろう なと思ったりもしました(笑)。保護者の皆様にとっても、お子さんがクラ スの中でどんなふうに一斉の活動に参加しているのか目の当たりにして安 心されたことと思います。

園長 熊田佳美

一緒にハッピーバースデー

 昨年と同様に今年も梅雨入りの時期が早まっているような雨の天候が見 られます。その晴れ間をぬって、年長児の田植え、年長・年中の親子遠足が 予定通りに実施できました。ゴールデンウィークを明けてから幼稚園生活の 流れの感覚を身に付けてきた年少さんも親子遠足を後に控えています。健康 に楽しいひと時が過ごせますように。

 今年度から園行事の誕生会を開く際は、全クラス一緒にホールで祝う形を 再開しました。年少児から年長児まで全員でその月の誕生者をお祝いします。 誕生者がステージの上でクラスや名前、何歳になるのかなど発表したり、先 生たちが練習した舞台での催し物を視聴したり、嬉しさや楽しみが詰まった 素敵な会になっています。先日の誕生会は「いっしょにハッピーバースデー」 という演目でした。話の登場人物は、うさぎとりすとぞうと卵。それぞれの 誕生の季節を迎えながら互いに誕生日を祝いますが最後まで残った卵はな かなか割れずにいます。早く会いたい動物たちが抱きしめたり温めたりして 待ち焦がれていると卵が割れてかいじゅうくんの赤ちゃんが生まれました。 赤ちゃんの誕生を喜ぶ動物たちが口々に「会いたかったよ」「生まれてきて くれてありがとう」「これから仲良くしようね」「いつも一緒だよ」と声をか けている言葉を聞いてジーンと胸が熱くなりました。最近、命を失う様々な 出来事で胸を痛めることが多かったせいかもわかりません。

 命の大切さを子どもたちに伝えていく方法は、日頃の色々な場面で機会が ありますが、今回のように誕生の尊さを通じて園児たちが感じてくれたこと は、どの子にも優しく浸透していったであろうと思っています。

園長 熊田佳

友だちづくり

進級、入園から早一週間が経ちました。先日降った雨の湿りで植栽のつつじが咲き始めて園庭に色を添えてくれています。最初は泣いたり走り回ったりそれぞれだった年少児が、みんなと一緒の時間が穏やかに過ごせるようにと先生たちも一生懸命に奮闘中です。
先日、職員室でこんな話を聞きました。年長児のAちゃんは最近妹が生まれた女の子です。Aちゃんは日頃から人懐っこい性格で、実習生が来た時もいち早く甘えてそばに寄っていき、物おじせずに話しかけることができます。さっそく園庭で知り合った年中児のYちゃんと意気投合し、名前を聞いて「可愛い名前だね」と褒めてあげていたそうです。Aちゃんの名前への関心はそこだけで終わらず、担任の先生に「園長先生は何て名前なの?」「伊藤さんは?」と下の名前で呼んでいる先生たちとは違う呼び方をされている職員の事を聞いて、「きりこさんだよ」と教えると「可愛い名前だね」と言ったとのことでした。脇で一緒に聞いていた先生が「妹の名前を聞かれては可愛い名前だねって言われているのかな」と言っていましたが、(なるほどなあ)とうなずける話でした。幼稚園で友だちができ始めるとお互いに名前を呼び合うようになり、話の中で友だちの名前が出てくるようになります。社会性の嬉しい芽生えですね。でも、まだまだ新年度は始まったばかり。なかなか幼稚園の事をしゃべってくれない、お友だちの名前がでてこない、と焦って心配しないで嬉しい時がくるのを待っていてあげてください。
今年は振替休日を利用して長いゴールデンウィークがあります。新しい環境に慣れようとエネルギーを使って心身ともに疲れが見え始める時期と重なります。どうぞご家族でリフレッシュできる良い連休になりますように。

園長 熊田佳美

お子様の進級・ご入園おめでとうございます

頬をなでる風が少し生暖かいような春の空気を感じる季節になりました。
新しい年度の始まりは何度迎えてもまた新鮮な気持ちにしてくれます。 3月の卒園式では、呼名の返事、歩き方、お辞儀など一人ひとりが頼もしい 立派な姿で証書を受取る姿に感動し、修了式では、静かに耳をかたむけてお 話を上手に聞いている姿に感心しました。卒園した子どもたちは小学生とな って幼稚園で蓄えた知力、体力を発揮できるものと信じていますし、進級す る子どもたちや入園した子どもたちは日々の経験を重ねながら就学に必要 な力を身に付けていけるものと思っています。
幼い時期にたくさんの事を学ぶ中で、これは忘れないでねという話を機会 があるたびに伝えている事があります。1つめは「挨拶ができるように」。 人と人とのコミュニケーションの始まりは挨拶から始まります。簡単そうで いて案外できない子どもが増えているのも現実です。どこに行っても自分か ら気持ちよく挨拶ができるようになったら嬉しいですね。2つめは「上手に 話を聞けるように」。静かに聞くことは周りにいる人たちへの配慮に必要な 事ですし、内容をよく聞いていると頭の中にしっかりと記憶して次の行動や 日々の学習に繋がります。スポンジのように何でも吸収できる柔軟な脳を持 つ子どもたちには賢く色々な事を覚えていって欲しいですね。3つめは「友 だちと仲良くするように」。家庭を離れ社会に出ると家族以外の人々との人 間関係が生じます。物事の考え方や振舞いを自分中心でしてきて良しとされ ていた事も、集団生活では我慢をしたり譲ったりと相手の事を考えながら自 分の気持ちをコントロールしていく能力が必要になります。他人の気持ちも 考えられる思いやりの心をもった子どもたちになってくれたらきっと周り からも大切にされる人になるでしょう。 子どもたちに教えることは、まず 私たち大人が実行しなければいけません。担任をはじめ職員全員で協力し合 いながら一人ひとりの成長を応援していきます。保護者の皆様も明るく和や かな幼稚園づくりにご協力ください。どうぞよろしくお願いいたします。

園長 熊田佳美

人を成長させてくれる達成感

 節分に園児たちと豆まきをおこなってからは三寒四温を繰り返し春に向かうのだろうと思いきや、雪に見舞われる初春を過ごしました。外遊びが大好きな子どもたちは園庭で走り回ったり体育教室で教えてもらったドッジボールで動き回ったりして毎日のように体を動かして遊んでいます。

 室内では子鹿パーティーの劇の発表を終え、ホールで使っていた大道具がクラスに持ち込まれると、さっそく演目のごっこ遊びをして楽しんでいる様子が伺えました。週末には自分のお面や小道具を持ち帰っている様子だったので、ご家庭でもお子さんの劇の話題がしばらく続いて余韻を楽しまれたのではないでしょうか。継続して練習に励んできた演目の一つ一つは誰かが頑張ってくれて成り立つものではなく、配役を受け持っている一人ひとりの皆が持っている力を出し合ってこそ完成する活動でしたので、どの子も意欲を無くさずに「楽しかった」と最後に発する言葉を聞くことができて本当に嬉しかったです。達成感に満ちた子どもたちが一段とたくましく見えました。
3月に入ると残りの園生活があっという間です。それぞれ進級や就学に向かって蓄えておきたい力や忍ばせておきたい精神を意識して園児たちと過ごしていこうと思います。貴重な一日一日をできるだけ休まずに元気に登園できますよう、ご家庭でもより一層の健康維持を心がけてお過ごしください。

 さて、今月の保育便りでお知らせが出ましたが、この3月をもって大磯菫先生とチューリップ号運転の生駒実さんが退職されます。子どもたちの可愛らしさを見つけ出して笑い転げる優しい菫先生と安全運転で子どもたちの通園を応援してくださった生駒さんに対する皆様からの今までのご厚情に深く感謝申し上げるとともに、お二人のこれからのご健康とご多幸を心からお祈りしたいと思います。

園長 熊田佳美

膨らんでいく友だちの存在

 いよいよ3学期が始まろうとするタイミングでの大雪警報。冬休みの期 間が更に延びてようやく久しぶりに登園した園児たちはとても元気にしています。
  3月の総会が今年度も中止となっているため、1月が最後の会となる役員会を先日行いました。コロナ禍においてもPTA役員の皆さんには一年 を通じてクラス内の連携、プレーデー等のお力添えなど保護者を代表して 幼稚園を支えていただきました。PTA会計を管理する会計の方々には郵 便局と幼稚園を行き来し、ご足労をおかけしましたが、おかげさまで各家 庭からお預かりしている会費を園児たちに有効に還元してこられたと感 じています。改めて、幼稚園の園生活においてPTAの存在がより心強い ものだと痛感する時期になりました。
 園児たちはというと、クラス内では友だち同士の遊びが楽しくなってい て、年少児のクラスでも年長や年中クラスの園児たちのように先生に依存 しないで遊べるような力がいつの間にかつきました。ふらりと歩いていて も「園長先生一緒に遊ぼう」と誘われる事が減り、手持無沙汰を感じつつ も子どもの成長を嬉しく感じる時期です。そんな中、子鹿パーティーの劇 の練習が始まっていて、テラスの窓越しに役のお面をつけて嬉しそうに取 り組んでいる様子を見かけるようにもなりました。ホールの舞台での練習 も盛んになっていくと思いますので、黒子となって何気なく近づいて個々 の表現を楽しませてもらいつつ、力添えができるように過ごしていきたい と思っています。どうぞ楽しみにしていてくださいね。

園長 熊田佳美

寄せ合う力で得る力

 コロナ禍で迎えた令和4年。謹んで新年のお慶びを申し上げます。
得体のしれない感染症のウイルスとの戦いが始まってからもう2年が経とうとしています。最初の年(令和2年)は3月1日から臨時の休園を行い、卒園や修了まで園児と会う機会を失ってしまいましたが、昨年は集団生活の様式の工夫や個別の免疫力増加で園児たちの幼稚園生活を戻しつつ過ごしてきました。3年目となる今年こそは、新型インフルエンザ等の感染症扱いと同等の日常が戻る事を願いつつ、引き続き健康に皆で過ごしていけるよう努めていきたいと思います。保護者の皆様には毎日の検温や体調管理をはじめ、園活動内容にご理解いただきながら健やかに過ごせますよう引き続きお力添えをよろしくお願いいたします。

 3学期は一年間の保育活動のうちの集大成の学期になります。2月に予定している「子鹿パーティー」は、参観人数を親に限り2名までご覧いただけるようにと考えているところです。昨年12月にお越しいただいた「音楽発表」の年長組の発表日にご挨拶の中で触れた話題と重なりますが、各クラスで取り組む劇は一人ひとりに配役があって、小さな役者たちが協力し合って一つの劇を作り上げていく実り多い活動です。全員が揃って力を十分に発揮してこそ大成功に結びつきます。この期間の活動を通じて今までに経験して身に付けてきた力が充分に発揮でき、達成した満足感を獲得できますように。またクラスの一員としての自覚が高まり、友だちと力を合わせることの大切さを実感できますように。
 何事も力強く頑張って、笑顔あふれる一年にしていきましょう。

園長 熊田佳美

自分で選ぶ楽しみ

 空一面に広がる青空と紅葉で色づいた木々が絵画のように幼稚園の庭を囲み、これから冬の季節に向かうとは思えないほど暖かな日が続く中、思い切り戸外遊びを楽しんだり移動動物園でポニーに乗馬したりして晩秋の気持ちよさを感じる事ができました。昨年と同様に感染症対策の一環として園児だけで実施した「お店やさんごっこ」では店舗や品物選び、制作、売り買いごっこなど当日を迎えるまでの間、クラスやホールで活動しながら支度を進め、看板やディスプレイで先生たちの工夫がきらりと光ったとても素敵な空間に仕上がっていました。前日にお店巡りを全クラス一斉にすると、めいめいにお気に入りの品を決めた様子で次の日の楽しみが一気に膨らんでいました。当日は、売り手と買い手になって入れ替わりでお店ごっこをしましたが、その気になってなりきっている姿が微笑ましく、そして頼もしく見えました。絵本袋をぶらさげてテラスを行き来する園児に「何買ったの?」と袋の中を見せてもらうと、ドーナツと犬が入っていました。「あと100円で年長さんのお店のお買い物ができるね」と言うと、「うん!」と嬉しそうに買い物の続きをしていました。ホールの「こじかナルド」では本物のお菓子とジュースが引換券でもらえるようになっていたので、誰一人として来なかった子はいなかったようです。買い物の時に、どの品物にしようか選ぶ時、お菓子のクッキーかおせんべいを選ぶ時、どの子も自分で選べる楽しみを感じている様子が表情からにじみ出ていて可愛らしかったです。

 また、園内で大切な活動の一つとして継続している「絵本の貸し出し」は借りる日になると図書室に行き自分で選んで絵本袋に入れています。最近、年少さんも年中長児と同じように図書室からの貸し出しを始めました。先生に「茶色いシールの本を選んでね」と言われてノンタンや乗り物や小さい子向けのお話絵本を棚から選んでいます。自分で選んだ物に愛着を持つ。その体験を繰り返し、満足感を得ている子どもたちです。

園長 熊田佳美

目に見る子どもの成長

朝晩の冷え込みを感じる季節になりました。子どもたちは、園庭で落ち葉やどんぐりの実などを牛乳パックの宝箱に集めて楽しんでいる様子が見られます。田んぼの稲刈りの後に姿を現していたバッタやカマキリはいつの間にかどこかに隠れてしまいました。こうした草花や木の実、虫たちが園庭での遊びの時間に四季を感じさせてくれています。鬼ごっこで人や置いてある遊具をよけながら勢いよく走り抜けていく年長児、アスレチックやブランコで器用に遊べるようになって友だちと過ごすことが楽しそうな年中児、先生や友だちに磁石のように引きつけあって一緒になって動いている年少児、季節のめぐりに合わせるかのように子どもたちも日々成長しています。

感染症予防の一環により、なかなか幼稚園児たちの様子をご覧いただく機会がない昨今、プレーデーを通じて園児たち一人ひとりがそれぞれに成長の変化を遂げている姿をご覧いただけたら幸いです。そして、お子さんたちが集団生活の中で人や物との関わりを育んでいることを、ご自身の目で見て感じ取っていただけるものと信じています。中でも、年長さんの「爽涼鼓舞」の演技や「クラス対抗リレー」は見応えある種目です。可愛い動きで「かけっこ」や「しまじろうのダンス」を大勢の人前で初めて披露する年少さん、1年の成長の大きさが目に見えて感じられる年中さん、子どもたちが私たち大人に喜びや感動を与えてくれる貴重な行事が無事に成功しますように。

仲間との関わりが広がれば、子ども同士、親同士の事で今までは無かった心配事や悩みが出るのは自然な事です。こんな事いちいち聞いたら煙たがられるかなあ、とかモンスター(笑)と思われちゃうかな、などとためらわずに気軽にお声かけください。気持ちよく毎日が過ごせるように一緒に考えて解決しながらお子さんの安心した園生活につなげていきましょう。

園長 熊田佳美

実り多い集団生活

 幼稚園の玄関前にはキンモクセイの木があって、今年もさわやかな良い香 りを放っています。キンモクセイの花はオレンジ色で、小さなつぶつぶの花 びらが寄り添いながら咲きます。残念ながら、幼稚園の子どもたちはまだ全 員で寄り添うことが叶わない状態が続いています。昨年の突然の一斉休園から一年半が経ち、それでもなお、私たちの生活を制限し続ける厄介な病気。 ここまで長期戦となるとは想像もつきませんでした。いつも思うのは、大人 の都合のしわ寄せが子どもたちに及ばないようにしてあげたいということ。 親、教師を問わず、みんな思いは一緒ですね。無事に10月から2学期の始 業ができた時は、揃って再会できる喜びを放ちながら元気いっぱいに過ごし ていけるように期待しています。

 始業が1ヶ月遅れた分、誕生会やプレーデーなど、例年にない時期に変更 しての実施となります。まず、長かった家庭での個人生活から幼稚園の集団 生活にシフトチェンジをして、課題ある活動を導入しながら生活体験を増や していけるように、先生たちも保育内容を再検討したり準備を進めたりして 過ごしてきました。お米の収穫、サツマイモ掘り体験、ふれあい動物園など 自然との触れ合いを通して感性を豊かに育み、身体いっぱい使って走ったり 踊ったりとプレーデー種目への取り組みを通して体力をつけ、何よりも家で はできなかった友だちとの遊びでコミュニケーション能力を高め、どの子も 「やっぱり幼稚園って楽しい」と思えるような社会性が養われる場所として、 毎日園児たちをお迎えします。

 家族内感染や子どもへの感染の広がりが懸念されましたので、食事等のテ ーブルには透明のパーテーションを使用するようにしました。健康に過ごす ためにも、手洗いやうがい、栄養のバランスを考えた食事、適度の運動、質 の良い睡眠などを心がけていきましょう。そうそう、ストレスも大敵です。 好きなことを生活に取り入れて程よく発散してくださいね。

園長 熊田佳美