いつの間にか朝晩の冷え込みを感じる季節になり、園庭の木々も色づき始 めました。先日、ママと一緒がいいと泣いて登園したAくんと通用門の近く でどんぐり拾いをしました。さっきまで大泣きしていたAくんは、ピタッと 泣くのをやめていつの間にかママの事も忘れてすんなりクラスに入ることができました。園生活にすっかり慣れてきた園児たちは頼もしく見えても、 まだまだ日によって朝が不安定な時があるかと思います。つい昨日まで張り 切って登園していたのに「今日は幼稚園に行きたくない」とぐずられると幼 稚園で何かあったのではないかと心配になることでしょう。成長の過程での 自己主張の現れ、園生活の活動レベルが上がっていくことでの苦手意識、友 だちとの出来事や体験で嫌な思いをしたなど、理由は色々考えられます。
Aちゃんのように母子分離が一番の原因になっているような場合は、たく さん泣いて気持ちがすっきりしたところで何か違うことに気を引く事で解 決できました。しかし、活動の難しさや苦手意識に直面しているような場合 は、保育の工夫や気持ちの後押し、個別の指導、家庭でのサポートが必要に なり、時にはその子の成長発達そのものを待つことが必要になります。私た ち大人が指導やサポートをする時、苦手な事や嫌いな事を取り除いてあげる ことも改善の一つではありますが、100%子どもの言うことを鵜呑みにす るのではなく、現状を見極めて本当に取り除きやらなくてもいい内容を考え る必要があると思います。
園児たちのようにまだ幼い時に小さな壁一つ一つを乗り越える経験は 「心・技・体」を鍛えてくれる貴重な体験です。やがて大きな壁を目の前に したときに乗り越える力が備わった大人であってほしいためにも、子どもが 壁を乗り越えている時に直面したら、どうしたらその壁を乗り越えられるか を教え、応援する大人でありたいですね。