昨年、台風15号が千葉市付近に上陸、通過してから早いもので一年が過ぎました。根っこごと傾いてしまった園庭の青桐とアキニレの木は、新芽が育ち、枝葉がふさふさとなり始めており自然の再生力のすごさに驚いています。また、例年に比べて遅い時期の田植えに加えて7月の長雨と8月の猛暑で心配していた稲の成長も、思っていた以上に米の出来も良く収穫が楽しみになりました。
子どもたちも6月の始まりの時の様子とは違い、あっという間に園生活に馴染んで先生や友だちと関わりながら賑やかに毎日過ごしています。自分のクラスにしっかりと着地して根っこを生やしているといったあたりでしょうか。そんな中、年長さんのクラスでお弁当の時間を一緒に過ごしました。その日、私のデザートは大好きなバナナ。大胆にも袋に入ったまま持っていたので、字の読める年長児に「エクアドルって何?」と聞かれました。「国の名前だよ。園長先生が食べているバナナは、エクアドルっていう国で育って、船に乗って海を渡って日本に来たバナナだね」と答えました。すると、次は「エクアドルってどこにあるの?」の質問。世界地図を見せた方が早いと思い、次の日、ネットでダウンロードした世界地図をコピーしていたら担任の先生が私よりも分かりやすい幼児向けの世界地図を用意していました。ちょうど万国旗作りをプレーデー(運動会)に向けて制作する時だったようで、それぞれの国ならではのデザインで国旗があることや、デザインには意味がある話を興味深く聞いていました。未知で未体験の子どもたちからは、「どうして?」「なあに?」と質問攻めにあうことが少なくありません。その「なぜだろう?」から始まって、もっと知りたい気持ちや分かって嬉しい気持ちを繰り返すことが、考える力に繋がっていくものと思います。
先日は「どうして園長先生の歯は少し出ているの?」と優しいのか厳しいのかわからない質問を受けました。一瞬、答えに困りました(笑)。
園長 熊田佳美