体験から学ぶこと

 2月28日の全国休校要請発令により幼稚園臨時休園を決定してから3か月が過ぎました。4月から続いていた緊急事態宣言が5月26日に解除され、いよいよ新年度の始まりです。不安や自粛がのしかかる生活が続きましたが、皆で辛抱し協力して大きな第一波を乗り越えられたことをまずは素直に喜びたいと思います。あまりにも休みが長く続いたので、自分のペースで毎日過ごしていた子どもたちが、規律ある集団生活のペースを取り戻していくにはきっと時間が必要なのではないかと考えています。加えて、今回の園活動再開には、引き続き感染防止対策を配慮しながらの生活が必要とされていますので、何事も通常通りではなく、今回の場合はどのようにしたら良いかを常に考えながらの取り組みになっていくであろうとも思っています。

 例えば新しい生活様式を考えた時に、「2メートル間隔のソーシャルディスタンスで遊んでね」とか「大きな声は出さないでね」なんて園児に求めるのは実際に無理だとしても、部屋の換気や通気をよくする工夫や活動のスペースをなるべく広くとる配慮、生活する施設や道具の清掃と消毒などは私たち大人がしてあげられる事ですし、毎朝の検温や体調観察、手洗いうがいの習慣を身に付けてあげることは家庭と幼稚園で協力して教えていける事です。

 子どもたちには自分の命を自分で守る意識や行動を覚えていくように教えるのも教育の一つですが、幼い子どもたちが未熟なところは私たち大人が守ってあげることが必要です。今、まさにその教育の時とも言えます。

 やっと子どもたちの育ちに必要な食事・運動・園(社会)生活体験の3つが揃いました。たくさんの笑顔に会える日々が楽しみです。

園長 熊田佳美