子ども同士の連帯感の芽

 幼稚園を取り囲む木々の葉が赤や黄色に見事に染まり、落ち葉の絨毯の上を園児たちが通園する季節となりました。見上げると、雲一つないきれいな青空が広がっていて初冬になったことを感じます。これからはインフルエンザや胃腸炎など感染の病気も流行する時期を迎えます。外から帰ったときの手洗いうがいを励行し、栄養を考えた食事や十分な睡眠を心がけて健康に冬を越していけるようにしましょう。万が一、流行りの病気になってしまったら、重症化する前に治療し、感染拡大を最小限にとどめるようにご協力ください。

 絵画展示の絵からもわかるように、年齢や月日を追うごとに子どもたちはそれぞれに幼稚園の中で友だちを見つけ、誰かと一緒が楽しい事を覚えています。共感できる相手がいることに喜びを感じ、同じ行動をすることで安心感を保っているようです。毎年12月に行う子鹿パーティーでは、歌や楽器の演奏、劇やオペレッタの踊りやセリフなどそれぞれの園児が当日までに獲得した力を舞台で伸びやかに発揮できることが一つのねらいではありますが、同じ目標に向かって日々、仲間と力を合わせることも大切にしています。

 友だちへの関心や楽しそうだから自分も同じ事をやってみたいという気持ちは協調性の育ちに不可欠な反面、子ども任せにしたために思いもよらない悪戯や子ども同士のいじめに発展してしまう事があります。特に、大人のいない所や見えない所であればあるほどいたずらな気持ちの一体感を楽しんでしまいがちの幼い子どもたちです。私たち大人は、できる限りその動向を見届けて、善悪の軌道修正をする役目を果たさなければなりません。園庭開放や降園後に近くの公園で子どもたちを遊ばせる時などは保護者の皆さんが頼りです。節度のある気持ちの良い関係が保たれるよう力添えをお願いいたします。

園長 熊田佳美