大人から子どもに伝えたいこと

9月の初めに年長さんが稲刈りをし、幼稚園の田んぼで収穫したお米の脱穀作業を進めています。先日は、「せんばこき」と呼ばれる昔ながらの農機具コーナーを設けて稲と籾を分離する作業をしました。穂先がしごかれてぽろぽろと籾が落ちていく様子を面白そうに見ながら「昆布のおにぎりが好き」とか「明太子」とか「梅干し!」など、早くも話題は食べる時のことになりました。収穫祭に使う玄米は、すり鉢で、もみ殻取りの作業を各クラスで園児が体験しながら用意します。園児全員が分け合った後の残りの玄米は、機械で精米して白米になったものを炊いて、いわゆる銀シャリを塩むすびにして年長児が食べます。「子鹿米」と呼ぶブランド米は、最高に美味しいです。「こんなに美味しいの、生まれて初めて~」のセリフに、思わずニヤリとなります。おにぎり一つ分のお米を作るのには時間と手間がかかることを経験することで、食べ物や日本の文化の大切さを幼いながらにも感じて欲しいと思います。

10月は、秋の運動会「スポーツプレーデー」があります。担任の先生にくっついて集団で行動している年少さん、難しい旗振りの演技にチャレンジしている年中さん、幼稚園では今年が最後のプレーデーとなる年長さん、一人ひとりがそれぞれに掲げる目標に向かって頑張る姿を応援し、励ます毎日を過ごしていこうと思います。
活動の内容によっては得意でないために気がかりになったり、友だちとの関わりで思うようにいかないことがあったりして登園をしぶる姿が見られることもあります。好みでないことや苦手なことから逃れるだけでは何も育ちません。
乗り越える気力と術を大人が諭し、ワンランク上の成長の節目まで押し上げてあげましょう!

園長 熊田佳美